電子書籍、セルフパブリッシングに興味はありますか?

 

『Kindle出版で週末作家になる』『個人作家ライフ~セルフパブリッシングはライフワーク』など、Amazon キンドルストアで電子書籍をセルフパブリッシングし、有料販売数1000冊以上の実績を持つ著者が、KDPセルフパブリッシングの初歩的なことやお役立ち情報をお話します。

 


管理人からのお知らせ

 

当サイトをご愛顧いただいている皆様のおかげで、2015年3月に有料販売数1000冊を達成できました。

 

個人作家としての活動も3周年目となり、このたび、記念といたしまして当サイトを電子書籍化いたしました。

 

 

電子書籍の個人作家でも、3年かければ1000冊売れる! セルフパブリッシングを楽しむ方法

 

 

ご興味がある方はチェックしていただければ幸いです。

 

あらためて、支えていただいた読者の皆様に厚く、お礼を申し上げます。

 

※当方は電子出版の業者ではなく、コンサルティングなどは一切しておりません。ただの個人作家です。アドバイスや指導を求められてもお力になれませんので、そうしたものを求めている方は専門の業者さんにご依頼ください。

 

※2016年8月追記。KDPのロイヤリティ、およびキンドル読み放題サービスなど、出版後に変化がありました。最新情報をまだサイトと上記本に反映できていませんので、ご注意ください。管理人は現在こちらの作業に手をつけられないので、申し訳ございませんがご了承ください。

 

※2016年11月追記。新情報「ITIN取得に失敗した顛末をシェアします」を追加しました。

 

 

目次 初歩編

※モバイルに最適化のため、ページ内リンクを外して中級編楽天Koboライティングライフ(KWL)編

海外個人作家情報編を別ページに作成しました。

ほぼ0円でセルフパブリッシングを今すぐはじめられる

ゼロからの電子書籍づくりで準備しておくこと

印税(ロイヤリティ)について

無料キャンペーンの是非と上手な使い方

30%源泉徴収回避。減免申請と税に関するインタビュー

 

New! ITIN取得に失敗した顛末をシェアします

個人作家が毎回迷う、Kindleストアの価格設定について

気になる個人作家たちの売上は・・・

KDPセレクトの貸本の仕組みと、貸本印税について

KDPセレクトをやめたくなるのはどんな時?

DRMの設定はどうするの?

 



ほぼ0円でセルフパブリッシングを今すぐはじめられる

 

セルフパブリッシングとは、個人が出版社の力を借りずに自分で本を出版し、販売することです。

 

これまでは「自費出版」で、数十万円から数百万円の費用を投じて、本にかかる制作費用を自分持ちで出版する方法しかありませんでした。自分の本を出版したい、という人にとっては一番手軽な手段でしたが、悪質な自費出版業者にカモにされてしまったり、結局、自己買いして親戚と友人に配布する自己満足で終わってしまうケースが多かったのです。

 

しかしながら、Amazonをはじめとする大手プラットフォームが「電子出版」を出版社だけではなく、「個人」に開放したことで、出版業界に革命が起こりました。

 

「自分が書いた本を出版したい」という人は、今日、これからいますぐにでも「電子出版」できます。しかも、出版に関する費用は「ほぼ0円」です。

 

大手プラットフォームでは、セルフパブリッシングした本について、「本が実際に売れた場合の手数料」しか取りません。本を出版する分については、無料です。

 

「ほぼ0円」としたのは、「電子出版」にあたり「EPUB形式」「MOBI形式」など、特定のファイル形式に簡単に変換するための執筆ソフトやサービス等を利用した場合の料金を踏まえてのことです。

 

無料ソフトや無料サービスもあるため、「完全0円」にすることも可能です。ただし、多少の手間暇がかかり、制約がかかることもあります。

 

また、もう一つの魅力は「大きな市場」に自分の本をのせられるということです。従来の自費出版本では、業者の力をもってしても、書店の隅っこの「自費出版コーナー」に置いてもらえる程度で、大きな販路の開拓はほぼ不可能でした。

 

ですが、大手プラットフォームがその市場を「個人」に開放してくれたことで、そこに大きな「可能性」が開けました。

 

つまり、出版社を通さずに「個人作家」が「ベストセラー」になれる可能性です。

 

Amazon Kindle、楽天 kobo、パブー、Apple iBooks、BCCKSなど、個人作家に対して門を開いているプラットフォームが、続々と出現しています。

 

出版社を通さずに、個人で自由に出版できるという、夢の様な状況に「個人作家」たちがこれらのプラットフォームで、自分の本を販売し始めました。

 

まだ、日本では始まったばかり。簡単にはうまくいかないこともあります。

 

今のところ「個人作家」にとっては、Amazon Kindleストアでの売上が全体的に高いようで人気です。

 

もちろん、複数のプラットフォームを利用して自著を販売することもできます。

 

このサイトでは、管理人自身が実際にセルフパブリッシングしてきた経験を元にご紹介するため、Amazon KindleストアのKDP(Kindleダイレクトパブリッシング)を中心に、費用をかけずにセルフパブリッシングする方法をご案内していきます。


Kindle出版については以下の電子書籍で詳しく語っています。

Kindle出版で週末作家になる

Kindle出版で週末作家になる 2

ゼロからの電子書籍づくりで準備しておくこと

 

 「すぐに出版できます!」とご案内しましたが、本の中身であるテキストデータ、表紙画像は事前に準備が必要です。ファイルを作成して、キンドルストアへアップロードするためのパソコンも、当然ながら必須。

 

また、KDP(Kindleダイレクトパブリッシング)を利用するためには、まずAmazonIDを取得し、「Kindle ダイレクト・パブリッシング利用規約」に同意したうえで利用申し込みをしてください。

 

アカウントの設定については、KDPヘルプーアカウントの設定を御覧ください。

 

また、テキストデータをKDPにアップロードするために、適切なファイル形式に変換するためのソフトが必要です。

 

「初期投資OK」の方には「一太郎」(Windowsのみ)をおすすめします。

 

一太郎シリーズの最新版の「一太郎2015 通常版 」を利用すれば、Amazonキンドルストアにそのままアップロードできる「mobi形式」で出力が可能です。一番安いもので、一万円弱で購入できます。なお、楽天koboのEPUB3.0.1形式にも最適化できます。

 

一太郎2015 通常版

 

ジャストシステム 一太郎2015 スーパープレミアム 30周年 特別優待版

 

お手軽にスタートしたい場合は、ライブドアブログの「EPUB書き出し機能」を使って、ブログ感覚で利用することも可能です。この機能は、有料プランの加入(月額315円から)が必要です。書きだされたファイルは、キンドルストア以外にも、パブーなどのEPUB形式に対応した電子書籍ストアで利用できます。

 

詳細はライブドアブログで、電子書籍。を御覧ください。

 

 

 なお、「完全に0円でやりたい」方は、フリーのサービスを活用できます。ただし、無料のため原因不明のエラーが発生しても、自己解決するしかありません。HTMLタグなどの知識が必要になることもあります。

 

ご紹介はしますが、時間がかかって遠回りになる可能性もあります。自己責任でご利用ください。

 

でんでんコンバーター

 

無料。電子書籍の標準フォーマットEPUB 3に変換して出力するウェブサービス。バージョンアップされて、HTMLタグなどの知識がない人でも使えそうな雰囲気です。一太郎のつぎにおすすめ。 

 

Sigil(英語サイト。Windows/ Linux/ Mac。OSのバージョンに注意)

 

フリーのEPUB編集ソフト。EPUB出力した後、アマゾン提供のプレビューツール kindlepreviewer で、mobi データに変換して確認する必要がある。修正の都度、この流れが必要。Mac10.6では動かない模様。

 

AozoraEpub3 - 青空文庫ePub3変換ツール

 

青空文庫の注記入りテキストファイルをePub3ファイルに変換するツール。KDPで利用するためには、Kindle用にコンバートするためは、KindleGenというAmazonが提供するツールを利用し、mobiファイルを生成する必要がある。

 

 

ePub3ファイルを生成できるフリーツールは、他にもありますがベータ版であったり、利用者が少なそうでした。なお、Wordで作成する方法もありますが、エラーの修正は大変そうです。アマゾンジャパンでは、Wordからのファイルは、試験的に受け付けていると回答しているため、おすすめできません。

 

どうしてもWordで作りたい、という方は、Wordで出版した方の書籍があります。管理人は試していませんので、ご参考程度に。

 

綺麗なKindle本に直接変換できるワード文書の作り方:Wordを電子書籍出版ツールに変える詳細設定術と使用術

 

 

最後に、この流れを再確認しましょう。

 

1. パソコンを用意

2. 本の中身(テキストデータ)を用意

3. 表紙画像を用意

4. AmazonIDを取得して、KDP申し込み

5. ソフトでテキストデータをmobiファイルに変換

6. 変換したファイルをKindleストアにアップロードする

 

印税(ロイヤリティ)について

 

印税! 心踊る響きですね。KDPで売れた本の印税(ロイヤリティ)は、アメリカのAmazonから振り込まれます。

 

報酬については日本ではあまり馴染みのない小切手か、銀行振り込みのどちらかを選択できます。

 

銀行を選択する方が多いと思いますが、海外からの送金手数料(リフティングチャージ)が発生するため、銀行選びにご注意ください。送金手数料が発生した場合、3000円程度の手数料がとられることもあります。※2015年2月追記。Amazonが国内からの送金に切り替えた、との情報がありました。正確な情報なのか管理人は未確認です。なお、Amazonからの振込名義が当初から変更されていないので、変わっていないように思えます。

 

新生銀行・シティバンクであれば、海外送金手数料は発生しないと、個人作家から報告があがっています。

 

管理人は「新生銀行」を選択し、海外送金手数料が発生していないことを確認しています。「新生銀行」は口座維持手数料無料、月一回まで振込手数料無料の、個人客にやさしい銀行です。おすすめします。

 

なお、印税(ロイヤリティ)の振込みサイクルは、発生月の末日締めで60日後の振込みです。

 

毎月の印税(ロイヤリティ)については、KDP管理画面の「月別のロイヤリティ」で月ごとにエクセルファイルにまとめられ、翌月15日にダウンロードできます。

 

しかし、「月別のロイヤリティ」の総ロイヤリティと、振込金額が数十円程度一致しないことに気づきました。おそらく、月末の売上がアメリカ太平洋時刻等の関係で翌月に計上されたものと推測します。KDPサポートに問い合わせましたが、はっきりした回答はまだいただいていません。

 

 

本の印税(ロイヤリティ)について、KDPでは35%と70%のロイヤリティを設定できますが、70%にするためにはいくつかの条件をクリアしなければなりません。

 

70%のロイヤリティを得る条件

 

  • 「KDPセレクト」に登録する
  • 「KDPセレクト」規約により、Amazon独占販売に
  • 250円以上の価格にする
  • 本の中身をブログなどで10%以上公開できない
  • 通信費1MB1円が印税から差し引かれる

 

 

そのため、「他のプラットフォームで同時販売したい」「自分のサイトやブログ上で、本の中身を公開したい」「本の価格は250円以下にしたい」という場合、35%しか選択できません。

 

また、容量の重い本を出版するのであれば、場合によっては35%の方がお得になるケースもあるでしょう。(35%の場合、通信費はAmazon側で負担)

 

印税(ロイヤリティ)についてのお話は、Kindle出版で週末作家になるの「35%と70%のロイヤリティは結局、どっちが得?」でもお話していますので、興味があればご覧ください。

 

無料キャンペーンの是非と上手な使い方

 

 

 「KDPセレクト」に登録すると、Amazonに独占販売の約束をする代わりに、「ごほうび」がもらえます。

 

その一つが、「5日間の無料キャンペーンの権利」です。「KDPセレクト」に登録した本について、個人作家自身が日にちを設定して無料キャンペーンを行え、著作を宣伝することができます。

 

最大5日間まで設定できますが、90日毎に「KDPセレクト」の登録は更新されるため、5日間使いきっても、また90日後に5日間の権利がもらえます。

 

KDPで電子書籍を出版した個人作家たちは、この無料キャンペーンを実際に使用して、「無料キャンペーンは、有料販売に結びつかない。『無料だからとりあえずDLした』という読者が多く、実際には読まれなかったり、適切な読者層に届かないため低レビューがついてしまう」という否定派がいる一方、「定期的に無料キャンペーンを行うことで、確実に知名度が上がり売上は伸びる。現に、自分は無料キャンペーン後に売上が出るようになった」という肯定派もいます。

 

無料キャンペーンの是非については、個人作家たちも痛し痒し、というところです。無料キャンペーンを実施して、キンドルストアの「無料TOP100」の上位にランクインすると、著作の情報が書籍系のアフィリエイターのツイッターなどで紹介され、ネットの検索に引っかかりやすくはなります。

 

管理人が無料キャンペーンを実際に使用した体感として、無駄に大量配布しても、売上に大きくつながらないと感じました。効果はたしかにあります。無料キャンペーン後の売上は数冊から数十冊とばらつきがありますが、無料配布してツイッターやブログでの紹介、レビューサイトの目に留まる、などの後押しがなければ不発に終わる雰囲気です。

 

とは言え、まったく無料キャンペーンをしないと、そのまま埋もれてしまいます。

 

また、何日間の無料キャンペーンが最も適切な効果が得られるのか、日程を変えて何度か試しました。

 

Kindle出版で週末作家になる 2の「損して得取れ? 無料キャンペーンの適切な日数は?」にて、お話していますので、よければご覧ください。

 

なお、個人作家がこれまで著書の宣伝に頼ってきた、Kindle本の大手紹介サイト「きんどるどうでしょう」は、2014年2月をもって個別の受付を終了していました。今後は月1回の一斉無料キャンペーンに一本化するようです。※2015年2月に確認したところ、受付停止中の様子。運用が随時変更されるようなので、その都度、ご確認ください。

 

 個人作家は、著作の宣伝活動について、新しいやり方を見つけなければならないと思います。

 

自力で宣伝する方法について、個人作家ライフ〜セルフパブリッシングはライフワークの「2章 「ひとりでできるもん」個人作家が自分の力で著作をPRする方法」にて詳細をご案内しています。

 

 また、管理人はやっていませんが、多数の著作を出版している個人作家が、毎月、順繰りに無料キャンペーンを行って宣伝しているケースも。大量に無料配布しているにもかかわらず、売上はあがっているようです。

 

30%源泉徴収回避。減免申請と税に関するインタビュー

 

 Amazonは米国系企業のため、何も手続きしないと印税から30%も源泉徴収されてしまいます。これを回避するために、少々ややこしい手続きがあります。申請の流れは2ステップです。

 

 

※2014年12月追記。「現在、IRSの規定において、個人以外の事業体の場合はEIN(Employer Identification Number)をご利用いただけますが、個人の場合はITIN(Individual Taxpayer Identification Number) を米国TIN(Taxpayer ID Number)として申請いただけるようになっております。」と、アマゾン様から「税に関する情報」の連絡が来ました。

 

個人の人は、「米国TIN(Taxpayer ID Number)の申請」がこれから必要になるそうです。(事業者はEIN)

 

米国TIN(Taxpayer ID Number)の申請

(EINで申請した苦労は、一体どこへ・・・? (ノД`)・゚・)

 

運用が随時変わるようなので、最新情報はヘルプでその都度、ご確認ください。

 

https://kdp.amazon.co.jp/help?topicId=201274700

 

 

 ↓なので、このご案内は役に立たなくなりました。

  1. アメリカ歳入庁(IRS)にSS-4の書類を申請して、 EIN(雇用者番号)を取得する。
  2. EIN(雇用者番号)を取得後、KDP管理画面の「税に関するインタビュー」で W8-BEN を電子申請する。

 

特に、アメリカ歳入庁(IRS)への申請が人によって「いつまでたっても返信がない」「電話してようやく取得できた」と、簡単にうまくいかず、苦労する個人作家が多いようです。

 

SS-4の書類はアメリカ歳入庁(IRS)のサイトから入手できます。また、FAXで書類を送信できますが、送信先番号はしばしば変更されます。

 

アメリカ歳入庁(IRS)の「SS-4申請先」のURLを、随時確認してください。

 

管理人も、ちょうどFAX番号変更の境目くらいに申請したため、エライ苦労をしました。 EIN(雇用者番号)取得の管理人の四苦八苦エピソードについては、個人作家ライフ〜セルフパブリッシングはライフワークの「これからKDPをスタートする方へ。アマゾン様とのおつきあいは、ハラハラ☆ドキドキ」にてお話しています。

 

申請書の書く際の注意点として、自分の電話番号、FAX番号を記入する際に国番号を入れて、市外局番の0をつけないようにしておくことです。これが間違っていると、いつまでも返事がきません。

 

例)03-1234-5678 →+81 3-1234-5678

 

また、「税に関するインタビュー」は画面の通りに入力すればいいだけですが、「納税者番号」の質問が「あなたはTINを持っていますか?」と出ます。一瞬戸惑いますが、「はい」を選択してEIN(雇用者番号)を入力してください。

 

 

正常に手続きが完了すると、管理画面の「税に関する情報」の源泉徴収30%の表示が、0%に変わります。

 

これで、心置きなく電子書籍を販売し、印税を満額受け取れるはずです。

 

 

 

※ 2016年3月追記 KDPサポートから「納税フォーム Form 1042-S をダウンロードできるようになりました」というお知らせがきました。海外でいくらか売った個人作家宛に来ているようです。(数百円レベルの収益でも来る) 内容の趣旨は、これまで郵送で送ってきたForm 1042-Sを手続きすればペーパーレスでオンラインでダウンロードできます、というものでした。

 

管理人はよくわからないながらに、毎年送られてきた書類を確定申告書で添付して、提出しています。3/15まで間に合わなくても捨てずに保管です。(税務署 の人に聞いてもいまいち「?」という雰囲気でした。とりあえず求められたときのために書類を保管して、随時提出できるようにしておきましょう)

 

税金については申し訳ないですが、門外漢です。詳細はAmazonの公式で確認してください。

 

https://kdp.amazon.co.jp/help?topicId=AKVFKQJ0JECBV

 

 

 なお、気になる確定申告ですが、サラリーマンの場合は副業が年間所得20万円以下の場合、確定申告の必要はありません。著述業以外の自営業者は、「雑所得」で申告が必要になります。著述業の方は、「事業所得」です。

 

不安な方は、税務署に相談されるのが一番です。電話をしたら、きめ細やかに相談に乗ってくれます。

 

ITIN取得に失敗した顛末をシェアします

上記「30%源泉徴収回避。減免申請と税に関するインタビュー」で書いたとおり、苦労して取得したEINではなくITINが現在必要になりました。

放置していたところ、KDPサポートから「W-8 が 2016 年 12 月 31 日に有効期限切れになります」との連絡をもらい、ITIN取得方法について問い合わせました。

必要なものは、

・Form W-7
・ITIN レター(KDPサポートに問い合わせすれば、送ってもらえます)
・身分を証明する特定の書類

で、三番目の「身分を証明する特定の書類」はパスポートのコピーとあったのでそちらを同封してIRSに送付しました。

数ヶ月後にやっとIRSから返事が来ましたが、中身は「We have rejected your ITIN application」(ITIN申し込み却下のお知らせ)でした。内容を紐解くとパスポートのコピーについては「公証されたパスポートのコピー」が必要とあり、公証人役場で数万円かけて手続きをしなくてはなりませんでした。(あるいは原本を送れ、と記述されておりましたが、パスポートそのものを海外に送るのはありえないのでできません)

コンビニでパスポートのコピーを取るだけじゃだめだった、ということです。海外での売上は微々たるものですし、今回 ITINを取得したとしてもその有効期限は5年で切れる(管理人が調べた限りでは)とあり、ITIN取得はあきらめることにしました。

実際、日本市場での売上が98%でさほどロイヤリティに影響はないため、苦労して手続きする手間暇のほうがもったいない、という状況です。海外市場で10万円以上の売上がある方ならやっておいたほうがいいですが、日本市場を中心に活動する個人作家にとっては ITINは無視していい、と言っていいでしょう。海外で売れた分はもったいないですけど。

なお、現在KENPのロイヤリティにも30%の米国の課税がかかるのかKDPサポートに問い合わせ、以下の回答を得ましたので情報をシェアさせていただきます。

 

「 KENPのロイヤリティにつきましても、Amazon.com で発生した場合は、30%の米国源泉徴収税の適用対象となります。

なお、米国の源泉徴収税の適用対象となるのは、Amazon.com のロイヤリティのみです。日本のAmazonストア Amazon.co.jp など、Amazon.com 以外の Amazon Kindle ストアでのロイヤリティは、米国の源泉徴収税の適用対象外となっております。Amazon.co.jp のロイヤリティの支払いへは30%の米国源泉徴収税は適用されません」

 

日本で読まれたぶんについては徴税されず、アメリカで読まれると徴税されるということでした。海外のその他地域はユーロ圏の税金発生がありそうですが、いずれにしろ海外での既読分はめったにないので、日本で出版している個人作家には影響がなさそうです。安心しましたね。

 

個人作家が毎回迷う、Kindleストアの価格設定について

 

本を書き上げ、Kindleストアに出版準備完了――というところで、意外と迷ってしまうのが「価格設定」です。価格の相場と文章量、クオリティが未知のままスタートしたKDPですから、当然です。未だ、電子書籍市場はカオスで、個人作家のみならず、出版社も手探りで本を販売しています。

 

個人作家は自らの作品の価格について、迷いがちです。自分の作品を、本当にお金を出して買ってくれる人がいるのだろうか、という不安にも悩まされます。

 

多くの方は「99円」に設定しており、個人作家の本のクオリティに半信半疑な読者たちも「安いから、ダウンロードして読んでみようか」と気軽に購入されるケースが多いです。

 

文章量が多く、内容が一定のクオリティをクリアしていると思える場合、「250円」で販売して売れている人も数多くいます。なお、「250円」は「KDPセレクト」で70%ロイヤリティを選択する場合の最低価格のため、定着した価格です。

 

「99円」で販売すると35%ロイヤリティしか選択できず、「35円」の印税です。「250円」で70%ロイヤリティを適用すると、「175円(通信費考慮に入れず)」の印税がもらえます。

 

つまり、「99円」を「5冊」販売してようやく175円ですから、割の良さで言えば、「250円」で「1冊」売った方がいいわけです。

 

管理人の場合、「99円」本の文章量は2万〜3万文字(400字詰め原稿用紙50枚〜75枚)以上。「250円」の本の文章量は5万文字(400字詰め原稿用紙125枚)以上が、妥当ではないかという感触を得ています。文章量が多いほうが読者にとってはお得感があるので、多ければ多いほど歓迎されるでしょう。

 

価格設定のお話については、Kindle出版で週末作家になる 2の「電子書籍の値付けについて。99円はあくまで入り口商品」でも紹介しています。

 

価格設定は、「読者が満足できる価格」が基本になります。内容と文章量など、全体のクオリティが低めであれば低価格に。読者に満足してもらえる自信があるのであれば、それなりの価格に。

 

読者の満足度は、レビューで確認できるでしょう。「内容の割にはまあまあ安くて満足」「この内容と文章量で、この価格は高すぎる」という、読者からの容赦ないお言葉がもらえるはずです。

 

気になる個人作家たちの売上は・・・

 

なかなか聞けそうで聞けないのが、実際に個人作家として本をリリースして、「どのくらいの売上があるのか」という点です。

 

「売上にはこだわらない。趣味の延長でやっているし、自分が納得できる作品を作るのが一番」と考えている方でも、本音の部分では「自分が本を出したら、どれだけ売れるのか」が気になるのではないでしょうか。

 

目立っているところでは、漫画家の鈴木みそ氏で、ひと月の売上が300万円を超えたそうです。KDPで出版されていますが、もともと商業作家さんなので、個人作家でくくれないかもしれません。

 

個人作家で目立った売上をあげた方と言えば、一万部以上売れた森山たつを氏(もりぞおさん)や、「月収4万円以上出している」と述べておられる桜風涼氏、書籍化で有名な「ジーンマッパー」の藤井太洋氏もいます。

 

個人作家の売上のお話については、Kindle出版で週末作家になる 2で紹介しています。

 

 個人作家の弱点は、宣伝力のなさです。たとえば、ソーシャルメディアで多くの人と繋がりがある方であれば、処女作であってもかなりの部数がはける可能性はあります。

 

しかし、完全無名で宣伝力ゼロの場合、かなり厳しい状況ではあります。自分でブログやサイトを立ち上げても、売上につながるのはポツリポツリといったところです。

 

とはいえ、一作目から二作目につなげ、同ジャンルの作品を定期的にリリースすることで、売上が徐々に伸びていきます。管理人も、一作目のリリース時には、ほとんど売れませんでしたが、続編を出したところ、一作目の売上が一気に上がりました。継続は、力なりです。

 

また、ご覧いただいている当サイトも、セルフパブリッシングを楽しむ方法を掲載しつつ、自作を紹介させていただいております。この方法がどのくらい売上につながるのか、また機会があれば公開させていただきますので、楽しみになさってください。

 

なお、管理人自身の作品の売上については、個人作家ライフ〜セルフパブリッシングはライフワークの2章で詳細なデータを公開しています。ご興味があれば、ぜひお読みください。

 

「電子書籍で一発当てて、ミリオンセラーに……」は、現状ではまだ夢の夢ですが、移り変わりの早い時代ですから、何がいつヒットするかわかりません。

 

「天は自ら助くる者を助く」を信じたいものです。

 

KDPセレクトの貸本の仕組みと、貸本印税について

 

「KDPセレクト」には、「無料キャンペーンができる」というメリットのほかに、アマゾンプライム会員が月一冊無料で借りることができるサービス「Kindle Owners’ Lending Library」の「貸本対象商品」として登録できるメリットがあります。

 

これはユーザーが個人作家の本を借りてくれた場合、KDPセレクトグローバル基金から分配金がもらえる仕組みです。分配金については一定ではなく、毎月変動します。

 

現在(2014年)のところ、一冊あたり200円前後の分配金をもらえています。なお、販売している書籍の値段が高くても安くても、分配金は同じです。

 

99円で販売すると一冊あたり35円のロイヤリティですが、貸本があると200円前後の分配金をもらえるため、本体価格が低めで設定している場合は、貸本のほうがお得になることがあります。

 

分配金の金額については、KDPの管理画面「レポート」の「月別のロイヤリティ」内にある「KDP取引レポート」をエクセル形式でダウンロードして確認できます。

 

英語混じりの表記なので見づらいですが、「KOLL」と書かれた項目の部分が、貸本で販売された分配金です。

 

貸本の詳細については、個人作家ライフ〜セルフパブリッシングはライフワークの5章「買うまでもないけど、一度読んでみたい 貸本へ読者を誘うには」でもお話しています。

 

貸本の数は、その月によって異なりますが、月数冊〜多い時は10冊ありました。99円本の貸出があると、気分的にホクホクです。

 

アマゾンプライム会員が月一冊無料で電子書籍を借りられるサービスを、意外とユーザー自身が知らないことがあります。機会があれば、ぜひ皆様の周りのかたに宣伝してください。まわり回って、あなたの本を借りてくれるユーザーが増える可能性が広がります。

 

KDPセレクトをやめたくなるのはどんな時?

 

 「KDPセレクト」に登録すると、70%のロイヤリティ・貸本設定・無料キャンペーン設定など、独自のメリットがあります。

 

しかし、それらのメリットを振りきってでも「もうKDPセレクト、やめたい」と思うのはどんな時でしょうか?

 

一番のデメリットは「他ストアで販売できない、ブログなどネット上に作品を掲載できない」ということです。これは個人作家にとって、かなり不利なことです。

 

少しでも露出が増えれば、販売機会は増えますからAmazonに独占権を渡すメリットと、他所で発表できないデメリットを天秤にかけることになります。

 

「KDPセレクト」にメリットを感じなくなるのは、おそらく次の条件に当てはまった時です。

 

・249円以下で販売し、元々70%ロイヤリティの恩恵を受けられない場合

 

・無料キャンペーンを頻繁に利用しない場合

 

・リリース数ヶ月で販売数が極端に落ちて、回復しない場合

 

 

「もっと売れてほしいなあ」という欲が出てきたら、「KDPセレクト」を解除して他ストアで展開したり、作品内容をネット上で発表して知名度アップに努めるのもひとつの手です。

 

 

DRMの設定はどうするの?

 

出版を登録する画面で 「本のアップロード」という項目があります。そこで本にDRM(デジタル著作権管理)の設定を行うか、行わないか選べます。

 

本が不正に利用されたり、流出しないようにするための設定で、DRMを適用すると、ユーザーはKindle端末とKindleアプリ以外で本を利用できなくなります。不正利用を絶対に防ぎたいならDRMを適用し、ユーザーの利便性を考えるのであれば、適用しないを選択するといいでしょう。

 

ただし、一度選択したDRMの項目は、出版後に変更することはできません。そのため、よくよく考えて項目を選択してください。